江戸の握り鮨は、ご飯が3倍だった!?

中小飲食店の「採用 定着 育成」の専門家。日本フードリーダース協会代表理事の小山心兵です。

前回に続いて、寄り道です。

前回は、お茶漬け一杯に、半日待って、一両二分。

高級料亭のお話でした。

今日は、その正反対です。

立ったまま、さっと食べる。手軽な外食のお話です。

江戸の屋台で、手軽に食べられていたのが、天ぷら、そば、握り鮨。

いまでいう、ファストフードです。

まず、天ぷら。

串に刺した揚げたてを、屋台で、立ったまま手軽に食べる。

東京都の資料によると、江戸湾の魚介に衣をつけて揚げていました。

いまは、お店に座って味わうイメージが強い天ぷらも、当時は手軽な屋台食だったのです。

つづいて、そば。

江戸っ子は、うどんよりそばを好み、「西はうどん、東はそば」と言われました。

農林水産省の資料によると、せっかちな江戸っ子に合う、手軽な料理だったそうです。

店構えのそば屋から、屋台のそばまで広がり、江戸時代の中ごろには、屋台で温かいぶっかけそばを出す店も登場します。

最後は、握り鮨。

ご飯は、たっぷり。

農林水産省の資料によると、江戸のにぎりずしのすし飯は、いまの3倍くらいあったそうです。

ネタは、卵焼き、車海老、白魚、コハダ、アナゴの甘煮など。

江戸の終わりごろの風俗を記した書物に、並んでいます。

そして、マグロ。

いまは高級なトロですが、当時は、お客様には出せない、下品な料理とされていました。

冷蔵庫のない時代です。脂身は傷みが速く、保存に向きませんでした。

一方、赤身は、醤油に漬けて「づけ」にして、握りました。

当時、好まれたのは、この赤身でした。

そして、人気になった握り鮨は、「高級化と手軽化の工夫で発展した」と、農林水産省の資料は説明しています。

高級になる道でも、もっと手軽になる道でも、握り鮨は発展したのです。

半日待たされる高級料亭もあれば、立ったまま、すぐ食べられる屋台もある。

外食は、昔から、いろいろな価値で成り立っていました。

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さて、時代は明治へ。

牛鍋、中華料理、ビヤホール。

外食が、一気に多彩になります。

次回も、寄り道です。

参考:農林水産省「うちの郷土料理 にぎりずし・そば・ねぎま鍋(東京都)」/国立国会図書館 電子展示「本の万華鏡」第30回/東京都「Edo Tokyo 用語でひもとく江戸文化 天ぷら」


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